2021年11月に開催した「社会問題解決に取り組む社会人に聞く!ソーシャルキャリアトーク」にご登壇いただいたZAP ZEAL ASPIRATION PARTNER ASIA CO.,LTD 代表取締役社長および特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン カンボジア事務所プロジェクトマネージャーの奥本達彦さん。

現在のカンボジアでのご活動や今までのキャリアについてお伺いいたしました。

ソーシャルキャリア
奥本 達彦さん
山口県出身。岡山県育ち。日本文理大学経営学部卒業。
ZAP ZEAL ASPIRATION PARTNER ASIA CO.,LTD代表取締役社長および特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン カンボジア事務所プロジェクトマネージャーを務める。2017年、勤めていたマイクロインシュランス・民間レスキューをする会社を退職。カンボジア人の雇用の創出、教育機会のビジョンに何かできないか考えていたところ、クラウドワークスから民泊ビジネスのヒントを得て起業する。

大人に雇用を、子どもに教育を

ソーシャルキャリア

現在、奥本さんが代表をつとめるZAP ZEAL ASPIRATION PARTNER ASIA CO.,LTDでは、どのような事業をされていらっしゃいますか。

持続可能な雇用を生み出し社会問題の解決を目指すインパクトソーシングという事業の案件を、日本のホテルやIT企業から受注して、カンボジアのスラム出身や田舎出身の人たちに雇用を創出し、賃金を引き上げる仕組みを作っています。事業内容ではなく、その雇用形態が社会問題解決につながるという仕組みです。
また、そのインパクトソーシング事業の売上を使って、寺小屋の運営しています。教科書やパソコンなどを寺小屋においているので、子どもたちが無料で自由に集まって勉強できる場所をコミュニティに設けています。コミュニティで勉強できる環境を設けて、インパクトソーシングの事業に興味を持った若者を採用し、賃金を引き上げていくことを目指しています。

– インパクトソーシング事業では、具体的どのような成果を感じていらっしゃいますか。

実際に、働いているカンボジア人の中には、もともと収入が最低賃金の190ドル(日本円で約2万円)だったにもかかわらず、働き始めてから約2年で月給が1,000ドル(日本円で約11万円)まであがった人もいます。
タスクの細分化や評価制度をクリアにして、それぞれがスキルアップできるような仕組みを作っています。自分と関わることで人が成長をしていくことにやりがいを感じます。もちろん、うまくいかないことも多いですが、日本とカンボジアの違いを楽しもうと思っています。

自分の信念したがってやりたいことをやりたい

ソーシャルキャリア

-奥本さんは、どうしてインパクトソーシング事業をカンボジアで立ち上げようと思ったのですか。

もともとは東京のファイナンシャルプランナーの会社に新卒で就職し、入社一ヶ月目でカンボジアに渡航し、カンボジアの貧困層向けに保険サービスの立ち上げを行っていました。しかし、保険サービスの立ち上げがうまくいかず帰国命令がでて、このままではカンボジアに何も貢献できていないと思い、とても悔しく悲しい気持ちになりました。その後、転職活動もしてみましたが、自分が好きなことを信念にしたがってやりたいと思い、クラウドワークスから民泊ビジネスのヒントを得て起業に至りました。

人のために何かしたいという思い

消防士時代のお写真

-新卒からカンボジアで働いていらっしゃったのですが、大学時代からカンボジアや国際協力に携わっていらっしゃいましたか。

もともとは、部活が理由で大学を選んだので、大学時代は部活を本気でやっていました。しかし、怪我で部活を続けることができなくなり、昔から「人のために何かしたい」という思いがあったので国際協力について学びはじめ、インドネシアで文化交流キャンプ参加しました。
その他には、トビタテ留学JAPANでアメリカのファイナンシャルプランナーの事務所でインターン留学をしました。それらの経験を経て、卒業後は英語を使ったキャリアを歩みたいと思うようになりました。

-奥本さんが就職活動をする際に意識していたことは、何ですか。

実は高校を卒業して大学に入るまで、6年間消防士をしていたので、新卒扱いされず自分の職歴を評価して採用してくれるような会社に就職したいと思っていました。大手の新卒求人サイトも利用していましたが、JICAやジェトロにも応募したり、一般求人を見て気になる場合は直接問い合わせたりしました。

経営者だけなく社会活動家としての活動をしたい

母子保健事業の活動の様子

-特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパンのカンボジア事務所プロジェクトマネージャーも兼業されていらっしゃいますが、どうして兼業しようと思いましたか。

兼業をはじめたのは、2021年4月です。これまで、個人でNGOにも寄付をしてきたのですが、寄付先となるNGOの活動をより把握したいと思い、経営者としてだけでなく、「社会活動家の奥本」として活動をしたいと思いました。
カンボジアの村では保健センターの認知度や、信頼度が低いなどの理由で保健センターを利用せずに出産をするケースが多く、新生児の死亡率が高くなっています。
そのため、現在母子保健を広める事業に携わっています。具体的な業務内容は、現地スタッフのマネジメントや市役所の保健課との協業、財務管理などの事務的な業務になります。村で母子保健について説明することは、ローカルスタッフしかできない業務になるので、その他の進捗管理などのマネジメントや事務的な業務を担当しています。

みんなが幸せになる方法を考える

ソーシャルキャリア

-社会問題に取り組むソーシャルキャリアを目指す学生にメッセージをお願いします。

社会問題にアプローチする方法は様々あります。私も起業をしたり、NPOに入ったりいろいろな経験を経て、アプローチ方法について理解できるようになりました。「ソーシャル」と「ソーシャルじゃない」の違いは、その利益を「自分のものにするのか」または「社会のものにするのか」ということだと思います。みんなが幸せになる方法は何かと考えることで、色んなアプローチ方法がでてきて、皆さんのソーシャルキャリアは広がると思います。

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