2022年2月開催「【ファッション×カンボジア】カンボジアの社会問題をファッションで解決するオンラインSDGsインターンシップ」のクロストークにご登壇いただいた株式会社Social Plastik 代表取締役 大釜翼さん。

大釜さんの学生時代の活動や現在のソーシャルキャリアについて、お伺いいたしました。

ソーシャルキャリア
大釜 翼さん  
株式会社Social Plastik 代表取締役 
東京出身。青山学院大学経済学部卒業。パートナー企業の事業と社会課題解決を目指すプロデュース事業や、ブランド事業などを展開している。ブランド事業では、サステナブルファッションである 「KATHARINE HAMNETT LONDON」と、地球環境や社会環境を見つめ直し、サステナブルなライフスタイルを創造する「REBIRTH PROJECT」を展開している。 

社会問題解決を実現するブランドを自分で作りたい

ソーシャルキャリア
TOKYO BASEでのインターンシップに参加したときの様子(一番右: 大釜さん)

– 現在は、多種多様なプロデュース事業を展開されていらっしゃるのですが、大釜さんは大学生の頃はどのようなビジョンを持っていましたか

ファッションはずっと好きで、自分でブランドを立ち上げたいと思っていました。小学校の頃の作文を見返すと、難民や戦争について作文を書いたりしていて、昔から自然と社会問題に関心があったと思います。大学生の頃は、社会問題解決ができるファッションブランドを知らなかったので、かっこよくて社会問題解決につながるブランドを立ち上げたいとぼんやり考えていました。

– ブランドを作るためにどのような活動をされていましたか。

実は、高校生の頃からファッションとビジネスに関わりたいと思っていました。高校生の頃は、4年制の大学に行くかまたは、専門学校に行くか悩んでいました。自分でリサーチをしている中で、好きなブランドのコムデギャルソンの川久保玲さんが4年制の大学に通って、哲学や思想を学んだ上で、繊維商社に入って、自分のブランドを立ち上げたことを知りました。私はデザインが得意ではないのでデザイナーではなく、経営の勉強をしようと思い、4年制の大学に進学をしようと決意しました。
ファッションについて学べる大学はあまりなかったのですが、高校のときに青山学院大学でシャネルジャパンの社長講演があり、担任の先生に頼んで学校を休んで講演に参加しました。講演を主催されていた方が青山学院大学の教授でした。その教授はファッションビジネスを研究されている方だったので興味を持ち、青山学院大学に進学しようと思いました。講演後もその教授に手紙を送って、「どのようなことを学べますか。」など聞いたり、文通で教授とやりとりをしていました。
大学生になってからも、具体的にブランドを立ち上げるために何をしたらいいのか分かりませんでした。なので、とりあえず行動しようと思い、インターンシップに参加しました。ファッション雑誌を見て、今の会社が展開している「REBIRTH PROJECT」について知り、「REBIRTH PROJECT」で約1年間インターンシップを行ったり、TOKYO BASEで約1ヶ月のインターンシップに参加しました。インターンシップでは、会社のターゲットになる人にアンケートをとったり、どういう風にアプローチをしたらいいのかを考えるというような、課題解決をするような活動をしていました。

企業が変わると消費者も変わる

ソーシャルキャリア

– パートナー企業様のSDGsの取り組みを支援するプロデュース事業を展開されていらっしゃるのですが、どのようにそのビジネスモデルは生まれたのですか。

自社ブランドを通じて環境問題に取り組んでいます。しかし、SDGsに関わるビジネスは1社だけでは実現することが難しかったり、業界の仕組みを変えないと社会は変わりません。そのため社会を変えるためには、他の企業とパートナーになることが必要だと感じました。僕らの強みは、企画やアイデアを考えることだったので、そこから企画やアイデアをサービスとして提供するプロデュース事業が生まれました。
個人としての習慣を変えていくには時間はかかると思うのですが、企業が変わると消費者も変わると思うので、まずは企業を変えていく必要があると思います。

AIRBACK

– どのようなプロデュース事業が、今まで生まれましたか。

自動車のエアバックをリサイクルした商品です。僕が学生の頃にインターンとして関わっていた「REBIRTH PROJECT」の一つです。
エアバックは人の命を守る大切な部品なので、そのまま再利用することはできず、車が廃棄される際には廃棄されてしまいます。自動車メーカーのエアバックを担当している方は「事故がないとエアバックは作動しないので、作動しないことが一番いいが、一生懸命作ったエアバックがそのまま廃棄されるのは悲しい」と仰っていました。
このプロジェクトは、最初は「エアバックでいいバック」を作ろうというところから、商品を作ることになりましたが、本気でいいバッグを作るためには、専門性の高い企業とパートナーになる必要があると思いました。エアバックは頑丈で汚れているものも多く、使用済みのものはガラスが付着していることもあります。そのため商品を作るのは難しいと何社も提案を受け入れてくれませんでした。その中でも、マスターピースさんが取り組みに共感してくださり提案を受け入れてくれ、実際にプロジェクトを実施することになりました。
現在ではエアバックを回収して解体し、染色も行い、よりファッションとして楽しめるようにしています。また自社ブランドとして販売したり、企業とのコラボレーション商品を製作したり、洋服の素材として販売するなどサービスの幅が広がりました。

一人ではできないことに挑戦する

ソーシャルキャリア

– 今のソーシャルキャリアを歩む中でどのようなやりがいを感じますか。

自分一人ではできないことに挑戦することができることです。
私が学生の頃は、ソーシャルビジネスをしている会社はあまりありませんでした。自分が考えている理想は、単なる夢なのかと思い悩んだこともありました。しかし、「REBIRTH PROJECT」を通じて、社会問題に一緒に取り組む仲間ができて、また1社だけでは実現できないことを、プロデュース事業を通じて他の企業と社会問題解決に取り組むことができます。
今までのビジネスモデルだと、他の企業は敵対関係にあったと思うのですが、ソーシャルビジネスの敵は他の企業ではなく社会問題になります。プロデュース事業では、社会課題を解決することを目指して、パートナー企業と一緒に取り組んでいます。
このように他の企業とパートナーとして一緒に社会問題に取り組むことができたりすることもやりがいを感じます。社会にとっていいことをしていると自分自身も思うことができるので、清々しい気持ちです。

– 大変に感じる時はどんな時ですか。

本質的に社会問題を解決するためには、業界の仕組みや個人の習慣を変える必要があります。人は、たとえ頭では「行動を変えないといけない」と理解していても、すでにある仕組みや習慣を変えるのは難しいです。
それでも諦めないことが、大切だと思います。僕も社会問題解決に取り組んでいますが、今やっていることが本当に正しいのかは、分かりません。まずは自分の理想像を描いて、人に話しています。そうすると肯定をしてくれる人もいるし、アドバイスをくれる人もいるし、もちろん否定をしてくる人もいます。すべての意見を受け入れて、頑張り続けることを意識しています。私は否定されるともっと頑張ろうと、燃えるタイプなので、否定的な意見を自分のエネルギーとして頑張っています。

まずは行動を起こしてみる

ソーシャルキャリア
左下:広報担当の出口さん、右下:大釜さん

– 社会問題に取り組むソーシャルキャリアを目指す学生にメッセージをお願いします。

失敗することが怖かったり恥ずかしいと思う人もいるかもしれないですが、やっぱりそんなことはないなと自分の経験からも思うので、まずは行動に起こしてほしいと思います。
地球規模の問題に関して否定することは簡単で、私もこれまであまり応援してくれる人はいませんでした。僕は「REBIRTH PROJECT」を通じて同じ考えを持っている人たちと出会えたのですが、同じ考えを持っている人たちを見つけると、新たなエネルギーが自分に湧いてくると思います。
ぜひ行動を起こして、仲間を見つけていってほしいと思います。
これから社会問題がどのように良くなるのかは、まだ誰にも分かりません。だからこそ人の声に惑わされずに、まずは自分の思いに従って行動を起こしていくことが大切だと思います。今のところ、僕はそれをやり続けています。

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