2021年11月に開催した「社会問題解決に取り組む社会人に聞く!ソーシャルキャリアトーク」にご登壇いただいた中東のヨルダンにて難民女性の雇用創出を目指すqaraq株式会社 代表取締役 大橋希さん。

今回は、大橋さんが難民問題に関心を持った経緯から、今までのキャリアについてお伺いしました。

ソーシャルキャリア
東京出身。京都大学法学部卒業。
中東のヨルダンにて難民女性の雇用創出を目的に、オリーブの木製食器を製造・販売する事業を立ち上げる。学生時代から社会問題に興味があり、イギリスの大学院で開発学の修士号を取得し、株式会社ボーダレス・ジャパンにて3年間ソーシャルビジネスを学ぶ。株式会社ボーダレス・ジャパンを退職して、ヨルダンに移住しqaraq株式会社を起業。

生まれた場所によって格差があることに衝撃を受けた

-大橋さんが、社会問題に関心を持ち始めたきっかけは何ですか。

高校2年生の時のフランス留学です。もともと家族で海外旅行をすることが多く、海外の文化に興味がありました。
当時、フランスに対しておしゃれで洗練されたイメージのみを持っていたのですが、実際に行ってみるとフランスにも窓ガラスが割れていて、壁に落書きされているような地区もありました。そのような地区は賃金が安いので、移民されたばかりの方々はそのような地区に集まっていました。
その時に、先進国だと思っていたフランスにも格差があるということに衝撃を受けて、世界ではどういう問題が起きているのかもっと知りたいと思うようになりました。

学生時代は興味のある社会問題は幅広かった

-大橋さんは、現在難民女性の雇用創出を目指し起業されたかと思うのですがが、学生時代から難民問題に取り組んでいらっしゃったのですか。

国際機関もしくはNGOやJICAで働きたいという思いはずっと持っていたのですが、初めから難民問題に対して取り組んでいたというわけではなく、興味のある社会問題は幅広かったです。学生時代は、約3年間AIESECという団体に所属し、アジア・アフリカのNGOの海外インターンシップを学生に提供する活動をしていました。
その他には、最前線で働く人たちのことを知りたいと思い、NGOのYouthプログラムに参加してみたり、大学4年生の時にフランス留学に行ったときは、留学先がスイスのジュネーブの近くにあったので、ジュネーブで開催されたイベントに参加して国際機関で働く方々にお話を伺ったりしました。

-大橋さんは、大学卒業後に大学院に進学されていらっしゃるのですが、大学院への進学はいつ頃決意されましたか。

もともと、将来は国際機関もしくはNGOやJICAで働きたいと思っていたので、大学に入った頃から大学院への進学は決めていました。当時、政治から社会を変えていく必要があると思っていたのですが、日本ではなかなか政治から社会を変えていく取り組み事例がなかったこともあり、イギリスの大学院でガバナンスと民主化について学ぶことに決めました。
大学院での学びを通して、ガバナンスの改善は重要なことだけど、外国人である自分は外からのアドバイザーという立場でしか関わることができず、結局最終的な決断を下すのはその国の政府なので、活動の限界を感じました。

ソーシャルビジネスというキャリアの選択肢を見つける

– 大学院卒業後の就職活動はどのようにされていらっしゃいましたか。

大学4年生の時と大学院生の時にヨルダンを訪問した経験から、いつか中東の難民問題に関わりたいという思いがありました。ただ、自分で何か事業をはじめることは考えておらず、自分のやりたいことが実現できるNGOや社会的企業があれば就職しようと思いましたが、なかなか見つかりませんでした。
色々と調べていくうちに株式会社ボーダレス・ジャパンの起業家コースという、自分の興味のある分野での起業を目指したコースの存在を知り、就職を決めました。

-株式会社ボーダレスジャパンでの3年間では、どのようなことを学ことができましたか。

グアテマラの巻きスカートを販売する事業、難民の方々と一緒にパソコンのリサイクルを行う事業に携わり、ビジネスに対する考え方について学ぶことができました。
それまで私は、社会問題に関心はあったのですが、ビジネスとして利益を出すことにこだわりを持ったことがなかったので、ビジネスの観点がとても弱かったです。ボーダレスジャパンでは、どんな人でもソーシャルビジネスができるように、戦略を考えてやりきることや柔軟に対応して方法を変えるなど、ビジネスの手法を固めていくことを大切にしていたので、たくさん学ぶことのできた3年間だったと思います。

難民問題をソーシャルビジネスで解決したい

-現在、株式会社ボーダレスジャパンを起業されたと思うのですが、どうしてこのタイミングで起業をしようと決意されたのですか。

コロナ禍だったからこそ、今後自分が何をやっていきたいのかについて考えることが多くなり、難民問題の最前線である難民を出している国の近くで活動したいという結論に至りました。
難民問題に対して取り組む方法は色々ありましたが、まだまだ世の中ではソーシャルビジネスに対する認知度が低いと感じていたため、私が取り組むことで一つの新しい事例を作れると思いソーシャルビジネスを選択しました。
最終的には現地に行ってから何をやるか決めようと思い現地渡航して、その国にある資源を活かしたソーシャルビジネスを作ろうと考えるようになりました。

生まれた場所によって格差がある理不尽な世の中を変えたい

オリーブの木製食器

-起業する中で、自身の原動力になっているものは何ですか。

自分が楽しいという感覚より、自分がやらなきゃいけないと思っています。生まれた場所によって格差がある、この理不尽さに対する怒りが原動力です。私は偶然恵まれた環境に生まれただけなので、私がサポートできることがあるなら全力で取り組みたいと思っています。

一歩でも多く、知る努力をする

社会問題に取り組むソーシャルキャリアを目指す学生にメッセージをお願いします。

皆さんがソーシャルキャリアについて考えているということは、おそらく皆さんにもソーシャルキャリアを考えるきっかけとなった興味のある社会問題が少なくとも1つはあると思います。
自分の興味のある社会問題に対して理解するために、実際に取り組む活動をしたり、現場を訪問したりしてみてください。今はコロナで海外にいくことは難しいかもしれないですが、日本にいるその国の外国人に話を聞いたりすることもできます。
自分でただ調べたり考えたりするよりも、実際に現地の声を聞く方がより理解することができます。一歩でも多くアクションを起こして、知る努力をしてみてください。
学生時代に社会問題に対する熱意はあっても、キャリアの選択肢を知らないだけでやめてしまうのはもったいないと思うので、ぜひ色んなキャリアの選択肢を見つけてほしいと思います。

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