「SDGsを身近に感じて実践することができた」九州工業大学 建設社会工学科 4年生 上官稔季さん、山邊幸歩さん、二村翔さん。3名は2021年8月に開催した「【建築 x SDGs】カンボジアSDGsオンラインインターンシップ カンボジアの中低所得者層の人々が安全で快適に過ごせる家をデザインする~」に参加しました。
インターンシップに参加するまでは、SDGsは「壮大で漠然としたイメージ」で身近に感じることは出来なかったという3名ですが、今回のインターンシップを通じて、どのような心境の変化があったのかをインタビューさせていただきました。
九州工業大学 建設社会工学科 4年生 (写真左から)上官稔季さん、山邊幸歩さん、二村翔さん 大学では、建築計画・設計、地域デザイン、土木など、建築に関して総合的に学び、徳田 光弘 准教授の研究室に通い、それぞれ建築に関わるプロジェクトを担当しながら活動を行っている。
– 今回インターンシップに参加したきっかけは何ですか。
山邊さん:もともとカンボジアを題材に卒業研究をしたいと思っていたんです。そんな時に先生からインターンシップの紹介を受けたので、研究室のメンバーに呼びかけて、二村さんと上官さんと参加することになりました。
–どうしてカンボジアを題材に卒業研究をしたいと思ったのですか。
山邊さん:二村さんと上官さんはカンボジアに行ったことはなかったのですが、私は2年前にカンボジアの農村部にあるNGOで日本語と英語を教えるボランティアに参加したことがありました。そこでは、蚊帳を敷いて寝たり、水シャワーだったりと、日本とは異なった生活様式があって、とても新鮮で楽しかったです。またカンボジアに行きたいと思っていたのですが、コロナで行くことができず、大学生活で思い残したことは「カンボジアでの活動」でした。そのため、卒業研究はカンボジアを題材に進めようと思いました。
-二村さんと上官さんは、まだカンボジアに行ったことがないということですが、カンボジアはどのようなイメージがありましたか。
二村さん:カンボジアに対するイメージは、漠然としていました。人口や気候など、基本的な情報しか知りませんでした。今回のインターンシップでは、カンボジアの家の建築デザインを考えるということで、今までにない新しい取り組みで、興味が沸きました。
上官さん:僕も同じです。カンボジアの家の建築デザインを考えるような機会はめったにない機会だと思いました。今までは、JIA(公益社団法人日本建築家協会)のコロナ禍の公共空間や、ヒューリック株式会社主催のハイカルチャーとローカルチャーが共存できる空間のデザインはしたことはありましたが、このようにSDGsを取り扱うのははじめてでした。
-SDGsに関してはどのようなイメージがありましたか。
山邊さん:壮大で漠然としたイメージで、なかなか身近に感じることができないイメージでした。
二村さん:大学の活動で留学生と一緒にSDGsについて調べてプレゼンをする機会がありました。環境問題について英語でプレゼンテーションをしたのですが、とても難しかったです。
上官さん:僕も、山邊さんと同じで壮大で漠然としていました。でも今回のインターンシップを通じて、自分たちが考えれる範囲内で、SDGsに取り組むことができたので、SDGsは自分たちも取り組める身近なことだと意識が変わりました。これからも建築デザインを考えていく上で、SDGsの視点を大切にしたいと思います。
-カンボジアの中低所得層向けの家の建築デザインを考えることは難しかったと思うのですが、どのように工夫をして取り組みましたか。
二村さん:山邊さんがカンボジアに行った時の写真を見せてくれて、カンボジアの生活様式について学びながら、建築デザインを考えました。
山邊さん:日本人学生の私たちが、カンボジアの方々の家の建築デザインを考えるということで日本の文化とカンボジアの文化を融合しようと考えました。そして、日本の「土間」を取り入れると建築コストを抑えられて、カンボジアの生活にも適応することができると考えました。
Q. 「土間」のコンセプトが評価され、今回最優秀賞を受賞されましたが、感想はいかがですか。
山邊さん:とても嬉しかったです。今回のインターンシップで、はじめて3人で活動を行ったのですが、それぞれの得意分野をうまく活かし、チームワークを発揮することができました。
二村さん:僕も嬉しかったです。今まで一緒に活動をしたことがなかったのですが、今回のインターンシップを通じて、3人の仲も深めることができました。またカンボジアの印象もすごく変わって、カンボジアの方々の生活様式を学んで行くうちに、カンボジアの方々のバイタリティのすごさも知れてよかったです。
上官さん:自分の知っている知識を活かして、カンボジアの中低所得層の方々の課題を解決できるような建築デザインを考えることができてよかったです。日本の文化を取り入れてカンボジアの問題が解決できるように、日本の問題も、カンボジアの文化を取り入れることで解決することができるのではないかと思います。これからも視野を広げることを大切にしようと思います。