国連とは、国際機関の一つで2015年にSDGsを採択しました。
国連は、正式名称を国際連合(以下、国連)といいます。

本記事は、国連の目的や歴史そして主要機関について解説します。

1. 国連とは

国連

1945年10月に世界の安全と平和を維持するために設立された国際機関です。
現在の国連に加盟する国は193カ国で、アメリカのニューヨークに本部があります。国連は、「諸国家の議会」と称されることもありますが、軍隊や課税も行っておらず世界政府でもありません。国連が決めた社会問題に対する対策を実施するには、加盟国の政治的意思が必要であり、費用も国連ではなく加盟国によってまかなわれます。

2. 国連の指針

国連

国連の一連の指針を国際連合憲章といい、1945年6月26日にアメリカ・サンフランシスコで調印され、1945年10月24日に発効しました。毎年、この日を記念して「国連の日」として祝います。

国際連合憲章は、国連の基本文書の前文と全19章111条から成り立ちます。国連の目的と原則、国連加盟国となるための基準、国連の6つの主要機関、各機関の機能や権限、国際法との関係、憲章の改正と批准について記載されています。

国連憲章テキストはこちら

3. 国連ができた経緯

国際連盟

第一次世界大戦後~第二次世界大戦

第一次世界大戦(1914~1918年)後の 1920年1月に、世界の平和を守るために国連の前身である国際連盟が設立されました。設立当初の加盟国は、第一次世界大戦の戦勝国を中心とする42ヶ国で、その後は敗戦国のドイツや共産主義国のソ連など加盟国は増えていき、最盛期には59ヶ国が加盟しました。しかし、アメリカを含める全ての国が加盟していなかったことや、最高決定機関である総会が、全会一致の方針をとったため迅速な対応が不可能だったこと、また軍事力ももたないため、侵略行為に対して軍事制裁することができなかったことなど、国際連盟には様々な問題がありました。このような理由から、世界の平和と安全のための行動を起こせていなかったことが第二次世界大戦(1939~1945年)が起きた理由とも言われています。

第二次世界大戦~国連の設立

第二次世界大戦中に戦争を終わらせるべく協力していた世界の指導者たちは、平和をもたらし、将来の戦争を防止するような仕組みを作る必要を強く感じていました。1941年にアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領とイギリスのウィンストン・チャーチル首相は、大西洋憲章という世界平和のためのプランを発表し、1942年に26カ国の政府の代表がアメリカ・ワシントンで会合を開き、連合国宣言に調印しました。この会合で初めて、「国際連合」という言葉が使われました。

その後、1944年に中国、ソ連、イギリス、アメリカの代表がアメリカ・ワシントンに集まって国際機関設立のプランが作成され、1945年4月25日から6月26日にかけて開催されたサンフランシスコ会議では、国連憲章と新たに設立される国際司法裁判所の法律が作成され、1945年6月26日に満場一致で採択されました。そして同年10月24日にアメリカ、中国、フランス、ソ連、イギリスおよびその他の署名国の過半数が批准したことを受けて、国連は正式に設立されました。

4. 国連の4つの目的

国連

国際の平和と安全を維持すること
平和に対する脅威を平和的手段によって、防止または除去します。

国家間の友好関係を育てること
世界平和を強化するために、人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させる適当な措置をとります。

国際問題の解決と人権尊重の促進に協力すること
経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決するために、すべての人の人権と基本的自由を尊重し、国際協力を行います。

各国の行動を調和 させるために中心的役割を果たすこと
これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するために国連が中心の存在となります。

5. 国連の6つの主要機関

国連

総会
すべての加盟国で構成される国連の主たる審議機関です。
各国は、1票の投票権を持っています。国際の平和と安全、新加盟国の承認、国連予算のような問題は、 3 分の2の多数で決定されます。その他の事項は、単純多数で決められます。単純多数とは、特に重要な事項を議決する要件として設定される賛成者の過半数を意味します。
総会は、毎年9月に始まり、1年間続きます。各国の国家元首もしくは、政府首脳が戦争、病気、貧困など、幅広い問題について自国の見解を述べます。

安全保障理事会
平和と安全の問題に関して、主要な責任を持つ機関です。アメリカ、中国、フランス、ロシア、イギリスの5カ国は、常任理事国で、その他の10カ国は2年の任期で選出する非常任理事国です。国際紛争に発展しかねない紛争または事態が生じた場合、調査し解決方法を勧告します。

経済社会理事会
貿易、運輸、経済開発などの経済問題と社会問題について、討議する機関です。54カ国から構成され、任期はそれぞれ3年です。国際的な経済、社会、保健に関連する問題の解決と、国際的な文化・教育協力を進める任務を行います。

信託統治理事会
信託統治地域の住民の生活の向上、自治または独立に向けて発展を促進する機関です。安全保障理事会の常任理事国であるアメリカ、中国、フランス、ロシア、イギリスで構成されてます。アメリカの施政下にあったパラオが、1994年に独立国家となり、信託統治理事会は正式に閉じました。 今後、信託統治理事会は、必要が生じた場合のみ開かれ ることになっています。

国際司法裁判所
国連の司法判断を下す主要機関です。国際司法裁判所はオランダのハーグの平和宮にあります。裁判官は、15人で総会と安全保障理事会によって選ばれます。国際司法裁判所に提訴できるのは、個人ではなく、国家だけです。国家が国際司法裁判所の管轄権を認める場合、対象となる国は、裁判所の判決に従うことに同意しなければなりません。また、国連のその他の機関も、国際司法裁判所に勧告的意見を求めることができます。

事務局
事務総長を最高責任者とする事務局は、全世界で活動する国際職員から構成されます。国連の日常的な活動は、事務局が行います。具体的には、平和維持活動の管理から国際紛争の調停など社会的・経済的な動向と問題に関する調査にまで及びます。事務局は、その他の国連機関にサービスを提供し、これら機関が定めたプログラムや政策を実施する責任も負っています

6. SDGsができた経緯

SDGs

2015年ニューヨーク国連本部で開催された国連持続可能な開発サミットにおいて、SDGsが採択されました。社会問題は、年々深刻化しており、このままでは世界が滅びてしまうほど危機が迫っているため、社会問題を解決すべくSDGsができました。

SDGsには17の目標と具体的な数値目標を示す169のターゲットがあります。
【SDGs解説】SDGsの17の目標と169のターゲットはこちら

7. 最後に

国連で採択されたSDGsは、政府のみならず、市民や、民間企業が連携して、世界の社会問題の解決を目指すことが求められています。まずは、社会問題について学び、取り組む方法を見つけて行くことが大切です。

一人一人が社会のことを意識して行動することで、社会は変わると思うので、一緒に取り組んでいきましょう。