持続可能な開発目標(以下、SDGs)とは、英語でSustainable Development Goalsといいます。SDGsは、世界の社会問題解決を目的として、国連で定められている目標なので、見慣れない英単語もたくさん使われています。SDGs重要英単語を学習して、SDGsの理解を深めていきましょう!

上級者向けはこちらをご確認ください。

SDGsには、17の目標と具体的な数値目標を示す169のターゲットがあります。
本記事では、SDGsの重要な英単語やターゲットの英文を紹介します。

SDGsとは

SDGs

世界では、社会問題は年々深刻化しており、このままでは世界が滅びてしまうほど危機が迫っているため、社会問題を解決すべく、2015年に193カ国が加盟する国連のサミットでSDGsが策定されました。
ここで言われる「Sustainable(持続可能)」とは、人間が地球に住み続けられること、「Development(開発)」とは、よりよい世界をつくることを意味しています。つまり、SDGsは「人間が地球でずっと暮らしていけるような世界をつくるための目標」ということです。
SDGsには、17つの目標とその17つの目標を達成する具体的な数値目標を示す169のターゲットがあります。
169のターゲットを日本語でまとめた解説記事はこちらです。

目標1 貧困をなくそう

SDGs

1. Extreme poverty(極度の貧困)
世界銀行が定めた「国際貧困ライン」である一日1.9ドル以下で生活している状態を示します。SDGsでは、この状態にいる人々をゼロにすることを目指しています。

【ターゲット1.1】
By 2030, eradicate extreme poverty for all people everywhere, currently measured as people living on less than $1.25 a day(2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。)

2. Social protection systems(社会保護制度)
子供、高齢者、社会的弱者、障がい者、失業者、妊婦、 労働災害被害者など、十分な保護を必要とするすべての人々に最低限の所得と保健サービスが保証される国の制度です。

【ターゲット1.3】
Implement nationally appropriate social protection systems and measures for all, including floors, and by 2030 achieve substantial coverage of the poor and the vulnerable(各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。)

目標2 飢餓をゼロに

SDGs

3. Hunger(飢餓)
長期間にわたり十分に食べられず、栄養不足となり、生存と社会的な生活が困難になっている状態です。SDGsでは、この状態にいる人々をゼロにすることを目標にしています。

4. Nutritious and sufficient food(栄養のある十分な食料)
食料」は食べ物すべての事であり、「食糧」は主食の事、と分類されています。世界ではすべての人が食べるのに十分な食料が生産されているにもかかわらず、飢餓に苦しむ人々がたくさんいます。

【ターゲット2.1】
By 2030, end hunger and ensure access by all people, in particular the poor and people in vulnerable situations, including infants, to safe, nutritious and sufficient food all year round(2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分に得られるようにする。)

目標3 すべての人に健康と福祉を

SDGs

5. Well-being(福祉)
身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味しています。SDGsでは、すべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進することを目標に掲げています。
※SDGs3番の「すべての人に健康と福祉を」は、英語で”Good Health and Well-Being”といいます。

6. Universal Health Coverage(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)
すべての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態を指します。

【ターゲット3.8】
Achieve universal health coverage, including financial risk protection, access to quality essential health-care services and access to safe, effective, quality and affordable essential medicines and vaccines for all(全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。)

目標4 質の高い教育をみんなに

SDGs

7. Vocational education(職業訓練)
キャリアアップのために必要な知識やスキルを身につけるための訓練です。SDGsでは、すべての男女が技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスができることを目指しています。

【ターゲット4.3】
By 2030, ensure equal access for all women and men to affordable and quality technical, vocational and tertiary education, including university(2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。)

8. Literacy (読み書き能力)
文字を読み書きする能力で、識字能力ともいいます。ただ学校に通うだけでなく、読み書き能力や基本的計算能力など一人ひとりが能力を十分に発揮できる「質の高い教育」が求められています。

【ターゲット4.6】
By 2030, ensure that all youth and a substantial proportion of adults, both men and women, achieve literacy and numeracy(2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。)

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

SDGs

9. Discrimination(差別)
他よりも不当に低く取り扱ううことを指します。性虐待や性暴力、教育格差や雇用格差など世界には様々な女性に関連する差別があります。2021年に世界経済フォーラムが公表した各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数ランキングでは、日本は156カ国中120位です。国会議員や閣僚の女性の割合は世界的に見ても低い現状です。

【ターゲット5.1】
End all forms of discrimination against all women and girls everywhere(あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。)

10. Female genital mutilation(女性器切除)
アフリカや中東、アジアの一部の国々で行われている、女性の性器の一部を切除してしまう慣習です。

【ターゲット5.3】
Eliminate all harmful practices, such as child, early and forced marriage and female genital mutilation(未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。)

目標6 安全な水とトイレを世界中に

SDGs

11. Sanitation(公衆衛生)
地域社会の人々の健康を保持・推進して疾病を予防するため、公私の保健機関や諸組織によって行われる衛生活動を指します。

【ターゲット6.2】
By 2030, achieve access to adequate and equitable sanitation and hygiene for all and end open defecation, paying special attention to the needs of women and girls and those in vulnerable situations(2030年までに、全ての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。)

12. Water scarcity(水不足)
世界では水不足が深刻化し、安全な水が確保できない地域があります。水不足が原因で紛争が起こる場合もあり、世界の水不足問題の解決が急がれています。

【ターゲット6.4】
By 2030, substantially increase water-use efficiency across all sectors and ensure sustainable withdrawals and supply of freshwater to address water scarcity and substantially reduce the number of people suffering from water scarcity(2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。)

目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに

SDGs

13. Renewable energy (再生可能エネルギー)
水力発電・風力発電・バイオマス発電・太陽光発電・地熱発電が該当します。エネルギーを再生できるので資源が枯渇することもなく、二酸化炭素を排出しないので環境にも優しいです。

【ターゲット7.2】
By 2030, increase substantially the share of renewable energy in the global energy mix(2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。)

目標8 働きがいも経済成長も

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14. Economic growth(経済成長率)
一定期間において、国の経済規模がどれだけ増えたかを示す割合のことを経済成長率といいます。一般的には国内総生産(GDP)の増加率を指標とします。SDGsでは、それぞれの国の状況に応じて、経済的に豊かになることを目指しています。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の国内総生産(GDP)の成長率を保つことを目指しています。

【ターゲット8.1】
Sustain per capita economic growth in accordance with national circumstances and, in particular, at least 7 per cent gross domestic product growth per annum in the least developed countries(各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。)

15. Decent work(ディーセントワーク)
権利が保護され、十分な収入を生み、適切な社会保護が供与された生産的仕事を指します。世界では、不十分な労働者保護と様々な労働環境に関わる課題があるため、SDGsでは、労働環境に関わる課題を解決するため、ディセーントワークの促進が必要だと考えられています。

【ターゲット8.5】
By 2030, achieve full and productive employment and decent work for all women and men, including for young people and persons with disabilities, and equal pay for work of equal value(2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。)

目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGs

16. Industrialization(産業化)
産業化とは、財やサービスにおける生産活動が機械化に伴って、市場が拡大化することを指します。

【ターゲット9.2】
Promote inclusive and sustainable industrialization and, by 2030, significantly raise industry’s share of employment and gross domestic product, in line with national circumstances, and double its share in least developed countries(包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。)

目標10 人や国の不平等をなくそう

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17. Income growth(所得成長率)
一定期間における国民経済の規模が拡大する速度を指します。OECD諸国(経済協力開発機構)※1においては、1990年代半ば以降に創出された雇用のうち半分以上が非正規雇用やパートタイムでした。このような労働者の増加が所得下位40%に含まれ、所得格差の拡大しました。

※1 OECD諸国(経済協力開発機構):ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関

【ターゲット10.1】
By 2030, progressively achieve and sustain income growth of the bottom 40 percent of the population at a rate higher than the national average(2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。)

目標11 住み続けられるまちづくりを

SDGs

18. Slum(スラム)
都市の一部がさまざまな理由で退廃し、公共サービスが受けられなかったり、衛生状態が良くない過度な人口密集など様々な問題を抱える居住地域を指します。

【ターゲット11.1】
By 2030, ensure access for all to adequate, safe and affordable housing and basic services and upgrade slums(2030年までに、全ての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。)

目標12 つくる責任つかう責任

SDGs

19. Food waste(食料廃棄)
食料ロスの一部で、特にまだ食べられるのに捨てられているものを指します。また、食料ロスは、食べ物の量的もしくは質的な価値が減少することを指します。

【ターゲット12.3】
By 2030, halve per capita global food waste at the retail and consumer levels and reduce food losses along production and supply chains, including post-harvest losses(2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。)

目標13 気候変動に具体的な対策を

SDGs

20. Natural disaster(自然災害)
干ばつや大型台風など、異常な自然現象によって引き起こされる災害を指します。地球温暖化が引き起こす気候変動が要因になっています。

【ターゲット13.1】
Strengthen resilience and adaptive capacity to climate-related hazards and natural disasters in all countries(全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。)

21. Climate change mitigation(気候変動の緩和)
温室効果ガスの排出削減と吸収の対策を行うことを指します。具体的には、再生可能エネルギーの普及や植物によるCO2の吸収源対策などが挙げられます。

【ターゲット13.3】
Improve education, awareness-raising and human and institutional capacity on climate change mitigation, adaptation, impact reduction and early warning(気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。)

目標14 海の豊かさを守ろう

SDGs

22. Marine pollution(海洋汚染)
人間が出したごみや排水が原因となり海が汚染されることです。ただ海が汚染されるだけでなく、海の生態系や有害物質の影響を受けた海産物を人間が食べて、人的被害にも及ぼします。

【ターゲット14.1】
By 2025, prevent and significantly reduce marine pollution of all kinds, in particular from land-based activities, including marine debris and nutrient pollution (2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。)

23. Illegal, unreported and unregulated fishing(IUU漁業)
「違法・無報告・無規制」で行われる漁業のことを指します。それぞれの詳細は以下の通りです。

違法漁業:国や漁業管理機関の許可なくまたは国内法や国際法に違反して行う漁業
無報告漁業:法律や規則に違反し、報告が行われていない、または虚偽の報告を行う漁業
無規制漁業:無国籍または当事国以外の船舶が、規則および海洋資源の保全管理措置に従わずに行う漁業

【ターゲット14.6(一部抜粋)】
By 2020, prohibit certain forms of fisheries subsidies which contribute to overcapacity and overfishing, eliminate subsidies that contribute to illegal, unreported and unregulated fishing(2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃する。)

目標15 陸の豊かさを守ろう

SDGs

24. Deforestation(森林破壊)
人間が行っている森林伐採や、森林火災などが原因で、世界では森林面積が減少してることを指します。森林が減ることによって、動植物の生態系や地球温暖化に影響を及ぼします。

【ターゲット15.2】
By 2020, promote the implementation of sustainable management of all types of forests, halt deforestation, restore degraded forests and substantially increase afforestation and reforestation globally(2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。)

25. Extinction of threatened species(絶滅危惧種)
生息している数が減っていて絶滅してしまうかもしれない生物種です。絶滅の恐れがある野生生物の名簿のことを「レッドリスト」と呼びます。国際的には国際自然保護連合(IUCN)が、日本では環境省やNGOなどがレッドリストを作成しています。

【ターゲット15.5】
Take urgent and significant action to reduce the degradation of natural habitats, halt the loss of biodiversity and, by 2020, protect and prevent the extinction of threatened species(自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。)

目標16 平和と公正をすべての人に

SDGs

26. Global governance(グローバルガバナンス)
世界で起こる多様な問題に対して、その地域や国境を越えて問題を解決する、政治的相互作用を指します。政治の力が及ばない場所での相互依存による規制の概念で、国連機関や政府機関のみならず、個人やNGO、民間企業がグローバルガバナンスの主体として問題解決に取り組みます。

【ターゲット16.8】
Broaden and strengthen the participation of developing countries in the institutions of global governance(グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。)

27. Birth registration(出生登録)
すべての子どもたちは、正式な身元登録を有する権利をもっています。しかし、正式に出生登録されず、身元証明書類がないと子どもは教育や保健ケア、社会保障といった重要なサービスを受けられなくなってしまう可能性があります。

【ターゲット16.9】
By 2030, provide legal identity for all, including birth registration(2030年までに、全ての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。)

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs

28. North-South cooperation(南北協力)
途上国の開発のために先進国が技術・資金面で協力することです。

29. South-South cooperation(南南協力)
ある分野で課題解決能力を持つ途上国が同じ課題を持つ途上国の支援をすることです。

30. Triangular cooperation(三角協力)
途上国同士で協力し合う南南協力で完結するだけでなく、先進国が間に入って資金提供などの支援を行うことです。

【ターゲット17.9】
Enhance international support for implementing effective and targeted capacity-building in developing countries to support national plans to implement all the Sustainable Development Goals, including through North-South, South-South and triangular cooperation(全ての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。)

最後に

SDGsは、世界の社会問題解決を目指した国際目標で、国や組織を超えた2者以上が協力しあうグローバル・パートナーシップによって達成を目指しています。SDGsを英語で理解して、私たちが実現できるグローバル・パートナーシップへの第一歩を踏み出しましょう!

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