SDGsの17つの目標は、PEOPLE(人間)・PROSPERITY(豊かさ)・PLANET(地球)・PEACE(平和)・PARTNERSHIP(パートナーシップ)の5つのPに基づいて構成されています。

本記事は、5つのPの中のPEOPLE(人間)について解説いたします。PEOPLE(人間)にはSDGs1番~6番が該当します。

1. PEOPLE(人間)

SDGs解説

すべての人が平等に生きるための環境づくりとして、SDGs目標1番~6番が提示されました。

すべての人が平等に生きるためには、貧困や飢餓を終わらせ、福祉と教育のサービスを受け、ジェンダー平等を実現し、衛生環境の整った健康的な生活を保障する必要があります。

2.目標1 貧困をなくそう

SDGs

あらゆる形態の貧困を終わらせることを目指しています。

SDGs

世界の18歳未満の6人に1人が極度の貧困状態で暮らしていると言われています。極度の貧困とは、1日1.9ドル(日本円で約216円※2022年1月21日のレート)で、食べ物や飲み物など生活にかかる1日のすべてのお金をまかなっています。

SDGsは、このような貧困問題をなくすために「適切な社会保護制度」、土地や財産などに関わる「基礎的サービスへのアクセス」、「気候変動などによる脆弱性の軽減」に対する目標を掲げ、その目標を達成するためには、「貧困削減につながる政策の実施」「貧困削減のための資金調達」が必要だと考えています。

3.目標2 飢餓をゼロに

SDGs

すべての人に安全で栄養のある食料を確保し持続可能な農業を促進することを目指しています。

SDGs

世界の10人に1人が重度の食料不安に苦しんでいると言われています。栄養不良になると、子どもたちは成長が遅れてしまったり、病気に対する免疫が足りず命を落としてしまうこともあります。

SDGsは、飢餓をなくし農業を促進するために「栄養のある食料の確保」、「農家の生産性と所得の向上」、「持続可能な食料生産システム」の目標に掲げて、その目標を達成するために「貿易制度の是正」や「市場情報アクセス」が必要だと考えています。

4.目標3 すべての人に健康と福祉を

SDGs

すべての人の健康的な生活を確保し、福祉を促進することを目指しています。

SDGs

世界では13人に1人が5歳未満で亡くなっていると言われています。 アフリカでは、医療体制が整っていないため、予防や治療できる病気も多くは対処できていません。

SDGsでは、健康的な生活の確保と福祉を促進するため、エイズ・結核・マラリアなどの「伝染病の根絶」、「予防やケア治療」、薬物やアルコールなどの「物質乱用の防止や治療」の目標に掲げて、その目標を達成するために「安価な医薬品とワクチンの提供」や「発展途上国の保健人材の能力や訓練」が必要と考えています。

5.目標4 質の高い教育をみんなに

SDGs

すべての人が質の高い教育を受けられることを目指しています。

SDGs

世界の5歳から17歳の子どもの5人に1人は学校に通えていないと言われています。 経済的な理由で学校に通えてない子どもたちが多く、またその約6割が女の子だと言われています。

SDGsでは、すべての人が質の高い教育を受けるために、「小学校前から就職前の教育の普及」、性別・宗教・障がいに関係なく「平等な教育のアクセス」、就業に必要な「知識と技能の習得」の目標を掲げて、その目標を達成するために「学習環境の提供」、「高等教育の奨学金」、「質の高い教員の増加」が必要と考えています。

6.目標5 ジェンダー平等を実現しよう

SDGs

すべての女性や女児の能力強化を行うことを目指しています。

SDGs

世界の女の子の3人に1人以上が15歳未満で結婚していると言われています。 15歳未満で結婚することによって、女の子は妊娠・出産による妊産婦死亡リスクが高まるほか、暴力の被害も受けやすくなったり、学校を中途退学するリスクも高まります。

SDGsでは、すべての女性や女児の能力強化を行うため、「差別の撤廃」、「暴力の排除」、女性器切除や強制結婚などの「有害な慣行の撤廃」、「女性の社会への参画」に関する目標をかかげて、その目標を達成するために「平等なアクセスの改革」、「ICTを利用した女性の能力強化」、「適切な政策や法律」が必要だと考えています。

7.目標6 安全な水とトイレを世界中に

SDGs

すべての人に安全な水と衛生環境を整えることを目指しています。

SDGs

世界の3人に1人は安全な水を使えていないと言われています。 安全な水を使えないと感染病にかかってしまったり、発展途上国では毎日遠くにある川などへ水を汲みにいくために学校に通えていない子どもたちもいます。

SDGsでは、すべての人に安全な水と衛生環境を整えるため、「飲料水」「下水施設や衛生施設」へのアクセス、「水に関連する生態系の保護・回復」の目標を掲げて、その目標を達成するために「国際協力」やコミュニティ単位に分けて「水管理を向上」が必要だと考えています。

8.目標1~6に関する途上国の取り組み紹介

社会問題をビジネスで解決するために事業を立ち上げた途上国の社会起業家をご紹介いたします。

社会起業家

ミャンマーの社会起業家ゾオ氏

ミャンマーでは、農作物を販売する市場にアクセス出来ていない人が多いため、農家が販売できるマーケットが少ないため、現金収入が安定せず、貧困に陥ってしまいます。また、収入が安定しないため金融機関からお金を借りる際に高金利になってしまい、貧困の連鎖が続いてしまいます。ゾオ氏は、ミャンマーで継続的に所得が低いエリアの農家から農作物を購入し、海外に輸出して農家の現金収入の安定を目指しています。

社会起業家

カンボジアの社会起業家サボット氏

カンボジアの首都プノンペンは急速に経済発展を遂げる一方で、都市開発によって強制移住を強いられている家族や子どもたちがいます。強制移住先の村は、家も学校も働く場所もないケースが多いです。サボット氏は、2015年より強制移住先の村の30名の子供たちに教育支援を行っています。

ソーシャルスタディでは、途上国の社会問題をビジネスで解決する社会起業家のSDGsインターンシッププログラムを開催しています。

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