2021年8月28日~9月12日にかけて、カンボジアでエシカルブランドを展開している社会起業家のバナサン氏に日本進出のための「商品企画」「マーケティング戦略」を提案するオンラインSDGsインターンシップを実施いたしました。
日本各地にいる日本人学生とカンボジア人学生(一名社会人)の計20名がアパレル業界の課題解決に取り組むオンラインSDGsインターンシップに参加しました。
インターンシップについて
カンボジアでは、縫製業が主要産業になっている一方で、過酷な労働環境やファストファッションの普及による生地の大量廃棄が深刻な問題になっています。社会起業家のバナサン氏が代表をつとめるエシカルブランドでは、カンボジアの縫製工場から大量廃棄される生地を回収して、適切な労働環境のもとサステナブルな衣料品を生産し、国内外に販売する事業を展開しています。
今回のインターンシップでは、カンボジア発のエシカルブランドの日本進出を成功させる「商品企画」「マーケティング戦略」を参加者が約2週間でオンラインでの打ち合わせを繰り返し、最終日にブランドオーナーのバナサン氏に提案しました。
全体満足度10点満点中9.32点
インターンシップ事前のアンケートでは、参加者の約4割は「英語があいさつレベル」、「SDGs社会問題についてあまり分からない」と回答し、また参加者の約7割は「マーケティングについてあまり分からない」と回答していました。しかし、初日のインターンシップ講座では、学習講座を実施し基礎知識を身につけ、アドバイザーや社会人メンターの指導のもと、マーケティング分析を行い、最終日には各グループが社会起業家のバナサン氏に英語で「商品企画」「マーケティング戦略」を発表しました。
参加者の最終発表に対する満足度は10点満点中9.00点と高評価でした。
参加者からは、「インターンシップを通して自身の成長をとても感じることができた」「SDGsに関わる仕事がしたいと思うようになった」などというコメントもいただきました。
カンボジア人社会起業家:バナサン氏
カンボジア系アメリカ人のバナサン氏は、大手外資企業で勤務していました。元々、ファッションに課題を感じていたことから、友人から事業を引き継ぎエシカルブランドオーナーを務めることになりました。
現在は、カンボジアの労働環境や廃棄問題を解決すべく、オーナーとして事業戦略などマネジメント業務をされていらっしゃいます。
アドバイザー:飯塚はる香氏
2013年に起きたラナプラザ事故をきっかけに、アパレル業界へのキャリアを歩み、株式会社ファーストリテイリング、株式会社ザラ・ジャパンにて、日本国内での店舗運営や販売を学び、社会人4年目で衣料生産国へ渡りカンボジアでは品質管理、バングラデシュでは生産管理を経験されました。その後、バングラデシュにて独立し、バングラデシュ発アパレルブランド「banesh(バネッシュ)」を立ち上げられました。
バナサン氏のコメント
商品デザインではカンボジアの特徴を活かしたデザインが考えられていて、マーケティング戦略も、アンケートを用いた細かいマーケティング分析や廃棄生地を用いることによる持続可能性について聞き手に分かりやすく伝えられていました。すぐに企画を実施できるくらい実現性が高い提案内容だったと思います。
参加者のコメント
アパレル業界の綺麗な部分だけでなく、業界の課題についても学び、これから個人としてどんなふうに行動すべきか、自分がどんな活動をしたいかということを認識することができました。今回のインターンシップを通して、社会問題やSDGsについて考える時間が圧倒的に増えたので、今後の実践につながると思います。(京都産業大学3年生 熊澤伽音さん)
ソーシャルスタディのスタッフよりメッセージ
今回のインターンシップでは、参加者が約2週間でSDGsやマーケティングなど様々な知識を身につけながら素晴らしい商品企画・マーケティング戦略を考案していただきました。
世界にはまだまだたくさんの社会問題があふれているからこそ、ソーシャルスタディでは社会問題解決につながる人材育成を目指し、多くの学生様に参加いただけるプログラムを実施していきたいと思います。